アトピー性皮膚炎と生きる

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[アトピーと生きる]

今でこそだいぶアトピーの症状が落ち着いた私ですが、一時期は本当にひどいものでした。
保湿をしても乾燥するし、処方された薬を飲んでもかゆい。落屑という、鱗のように皮膚がはがれる症状にもうんざりしていました。

アトピーの完治は、難しいものです。
ほぼ不可能なのではないでしょうか。

何せはっきりとした原因も分からないし、人によって症状も違います。

子どもの頃アトピーだったけれど大人になって健康な肌になった人もいれば、
子どもの頃は健康な肌だったけれど大人になってアトピーになった人もいて、
子どもの頃も大人になってからもアトピーのままの人もいます。

それに、一見完治したように思えても、いつまた爆発するのか分かりません。
一度アトピーになってしまった以上、アトピーと生きていくしかないのです。

今の私は、一見すると健康的な肌です。

それでもやはり疲れたときなどにアトピー特有のガザガザした乾燥が現れますし、かゆみも生じます。

前までは少しでも症状がぶり返すとナーバスになっていたのですが、徐々にアトピーとのうまい付き合い方が分かってきた気がします。というよりも、アトピーと生きるのだと思えるくらいの心の余裕が生まれてきたのかもしれません。

アトピーの症状が悪化の一途を辿っていたときは、そのような余裕はありませんでした。アトピーの負のスパイラルに陥ったときは何をしても焼け石に水ですし、余計なことを考えるよりもその場のかゆみや乾燥を緩和させるのが先決です。

だいぶ改善された今だからこそ、もうひどい症状が出ないようあらかじめ対策が取れますし、心の余裕も持てるようになったのです。

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[アトピーの症状の自覚]

私の場合、アトピーの症状はある日突然現れたわけではありませんでした。

・何なく、かゆい。
・最近、乾燥しやすい。
・湿疹ができてしまった。

始まりはそんな小さな違和感たち。それがいつの間にかはっきりとした肌の不調となって私を苛むようになったのです。

一度悪化し始めるともう手が付けられませんでした。気がつけば私の肌は乾燥し、掻き壊しの傷だらけになり、鱗状になった皮膚が落ちるように。

皮膚科では、アトピー性皮膚炎。そして皮脂欠乏症湿疹(乾皮症とも)と診断されました。
子どもの頃に一度お別れしたはずのアトピーとの再会。こんなにも嬉しくない再会は他にありません。
しかも子ども時代とは症状も違い、当時試していた対処法は使えませんでした。

ぐちゅりと汁が出るタイプの子ども時代とは異なりガッサカサに乾燥するタイプのアトピー。同じアトピーでもこんなにつらさの種類が違うのだなあと実感したものです。

[掻いちゃダメ、と気軽には言わないで]

アトピー性皮膚炎になった患者のほとんどの人が言われたことがあると思われる一言があります。

「掻いちゃダメ!」

そんなこと、分かっているのです。アトピーの人たちも、掻きたくて掻いているわけではないんです。

けれど、家族や周囲の人たちだけでなく、皮膚科の先生も肌を掻くなと私に言いました。

掻くから肌に傷がつくし、炎症を起こすのだと。
もちろん掻き毟るのはよいことではないでしょう。

けれど掻くのを我慢したからといってアトピーは治らないと、個人的に思いました。
だって、掻かなくてもアトピーの症状は出るのです。まったく掻かなかったときも炎症は起きたし、落屑もしました。

それに、アトピーのかゆみは猛烈です。それこそ気が狂ってしまうのでは、というほど激しいかゆみに襲われます。

掻くことを我慢しすぎせいでそれがストレスとなり、より激しいかゆみに見舞われたこともありました。

もちろん、掻かないことはアトピー肌回復の方法のひとつです。けれど、まったく掻かないのは不可能だと私は思います。

掻いてしまうのは仕方ない、でも
・「なるべく」我慢する。
・爪を短く切りそろえる
という二点は心がけたほうがいいでしょう。

そして、掻くことを我慢するより、しっかりと栄養と睡眠をとる。
ネガティブな努力よりもポジティブな努力のほうが長続きする気がします。

[「効く」対策は、すぐに効く]

アトピーは体質改善から、とよく聞きます。だから、せっかちにならず、気長に対策すべきだと。

しかしアトピーに悩んだ数年で私が実感したのは、効かないときは何をしてもどれだけの月日様子を見ても効かないし、効くときはすぐに効くということです。

アトピーの人によいといわれる食べ物をしばらく食べ続けたことがありましたが、私にはまったく効果がありませんでした。

子どもの頃にぐちゅぐちゅタイプのアトピーになったときに効果があった対策も試しましたが、こちらもいくら続けても無駄でした。

効果がないものは、いくら続けても意味がないのです。

逆に、アトピー改善に効果があった対策は、試してすぐに効き目がありました。私にとって、ルイボスティーやサラダチキンがそれに該当します。

これらは口にした翌日には「あら?」と肌の違いを実感しました。

肌のターンオーバーの周期が28日なので、アトピーの様子を見る場合は長い目で、という意見も目にしますが、アトピーの乾燥や湿疹の症状が出ているときはターンオーバーなど気にしている場合ではありません。まずは炎症を抑えるべきだと私は思います。

炎症が治まって初めて、色素沈着や傷口の治癒の為にターンオーバーを気にした方がよいのでないでしょうか。

また、好転反応というものは科学的な根拠がありません。

アトピー改善のために口にしたもので症状が悪化した場合、「好転反応かも」と思って持続するのはやめましょう。そもそも好転反応という言葉は薬事法違反なので、それを謳っている商品も避けた方が無難です。

[オイルプリングという健康法]

ある日テレビを観ていて、とあるモデルさんが実践しているオイルプリングという自然療法を知りました。インドの健康法のひとつらしく、植物性のオイルを口に含みくちゅくちゅうがいをするというものです。

海外のセレブにも人気の美容方法らしいですね。
・虫歯や歯周病などの歯の疾患を予防
・くちゅくちゅうがいで頬の筋肉を動かし皺やほうれい線を予防
・歯のホワイトニング
・口内の乾燥を防ぐ
・免疫力アップ
などの効果があるとのこと。免疫力が落ちていると思われるアトピー患者によいのでは? と試してみることにしました。

インドではごま油を使うようですが、海外セレブや日本のモデルさんたちはオリーブオイルやココナッツオイルでオイルプリングをするのが一般的なようです。私はオリーブオイルで試してみることにしました。

小さじ3杯分ほどのオイルを口に含み、10~20分くちゅくちゅと口をゆすぎます。
結果として、アトピーにはまったく効果はありませんでした。

まず、オイルを口に入れるとなかなか気持ちが悪くなります。
また、一週間試した後に気づいたのですが、オイルプリングの効果と謳われているものの内ほとんどが「舌回し体操」と同じです。

舌回し体操とは、口を閉じた状態で、舌の先で歯茎の表側をなぞりながらぐるりと口内を一周させる体操です。アトピーに効果があるかは分かりませんが、ほうれい線の改善や顔のリフトアップには効果があります。手軽ですし、オイルプリングをするくらいなら舌回し体操の方をお勧めします。

[胃腸の調子が悪いとアトピーが悪化する?]

いつもとは違う皮膚科に行ったとき、先生に「お腹が冷えているから漢方薬を処方しましょう」と言われたことがあります。

曰く、胃腸が弱りお腹が冷えてしまっているので、それで免疫力が下がりアトピーが出ているのだと。

なるほど一理ある……と思った私は処方された漢方薬を飲み、お腹を労わるために消化に良い食べ物を口にするようになりました。

また、胃に負担をかけないためにしっかりと咀嚼をしたり、腸のマッサージを試してみたり、とにかくお腹に優しい生活を心がけたのです。
その結果、特に意味はありませんでした。

よく考えてみると、少しお腹は冷えやすいものの、元々便通はよい方でした。それでもひどいアトピー症状が出ていたので、胃腸の調子とアトピーは必ずしも関係あるとは言えないのかもしれません。

ただ、アトピーとお腹の不調の因果関係を実感できなかっただけで、胃腸にトラブルが起きたとき確かに肌が荒れたり吹き出物ができたりするので、いつもお腹の調子を整えておくに越したことはありません。

[アトピーの人の身体には毒素がたまっている?]

アトピーがひどい時期、ネット上で様々な情報を目にしました。

ストレスが良くない、自律神経が乱れている、などのふんわりとした情報がたくさん飛び交っていましたが、特に多かったのが「アトピーの人は身体に毒素が溜まっているので、それを排出しようとして肌が荒れているのだ」という意見です。

・排泄物・老廃物・汗など
・ステロイドなどの薬
・化学調味料や食品添加物

「毒素」というひとつの単語ですが、人によってその言葉の差す意味は違いました。その段階で信憑性が揺らぐなあと思ったのが正直な感想です。

さて、アトピーの原因は本当に毒素なのでしょうか。
また、毒素を排出すればアトピーは改善されるのでしょうか。

その二点を確認すべく
・運動を心がけ、なおかつ胃腸の調子を整える
・薬を使わない
・食事制限をする
という方法を試してみました。

結論は、「私の場合、アトピーの原因は毒素とは断言できず、なおかつ肌も改善しなかった」というやや残念なものでした。むしろ薬をやめたことで皮膚は余計荒れました。

毒素説を支持する方はそれを好転反応と呼ぶのでしょうが、好転反応は科学的な根拠がありません。なので、アトピーが悪化した時点で私はこの実験を中止しました。

アトピーの症状が出るということは、体内に何か悪いものがあるせいだ。そう思ってしまうのも理解ができます。何も問題がないならばそもそもこんなに激しい症状は出ないでしょう。しかしその原因は本当に「毒素」なのでしょうか?

私の場合、アトピー改善のきっかけはサラダチキンを食べたことでした。つまり、排出よりも摂取が改善の糸口となったのです。

悪い毒素が溜まっていたというより、必要な栄養素が不足していた。
それがアトピー悪化の要因だったように思います。

胃腸に優しいものを口にしたり、ステロイド剤を使いすぎないということは、とてもよい心がけだと思います。アトピー以外の不調にも効果があるかもしれません。

けれどアトピーの原因を毒素と決めつけ、様々な制限を自分に課すのは、かえって逆効果かもしれません。

[落屑(らくせつ)]

アトピーのときつらかったのは、炎症を起こした皮膚が剥がれ鱗状に落ちる落屑という症状です。
皮膚科で処方された飲み薬と塗り薬を使えば多少改善しましたが、完治はしませんでした。

私は乾燥のひどい冬に落屑の症状に悩み始めたのですが、春になり、そして夏になって湿度が高くなっても、落屑は治りません。

むしろ汗のせいで皮膚の炎症が悪化し、より皮膚が剥けてしまうという最悪の事態に。

赤ちゃんのおしりふきとして売られている低刺激のウエットシートを持ち運び、汗をかくたびに拭き取っていたのですが、汗で刺激された皮膚は容易に炎症を起こしてしまいます。

夏は落屑が最も悪化したつらい季節でした。

秋から冬にかけては汗をかく機会も減り、炎症は徐々に治まっていきました。

けれどやはり肌は乾燥するので、かゆみとの付き合いは続きます。

そんなある日、サラダチキンを食べることにより皮膚の乾燥が改善されていきました。

鶏肉で皮脂を増やすと、乾燥が治まり、炎症も落ち着き、結果として落屑も減っていきました。

サラダチキンを食べ始めた季節が夏ではなかったのは、運とタイミングがよかったとしかいえません。

もし汗をかきやすい夏だったなら、肌の改善をここまで実感することもなかったかもしれません。

じゅくじゅくタイプのアトピーの方にはもっと適した対処法があるかもしれませんが、私のように皮脂不足で乾燥しているアトピーで悩んでいる方は、必要な栄養素を摂取してみるのもよいでしょう。

肌を再生させる材料たるたんぱく質が不足していると、治るものも治りません。私の場合はたんぱく質でしたが、脂質、ビタミンなど、人それぞれ不足している栄養素は違うかもしれません。ご自分の食生活を見直した上で、不足していそうな栄養素を積極的に摂ってみましょう。

[アトピーの原因はストレス?]

アトピーはストレスなどの心の病気が原因で発症する、という意見を見かけることがあります。

自分の意見を心の内に留めてしまうくせのある人や、トラウマのある人などが、アトピーになりやすいとかいう話も目にしました。

それは本当でしょうか?

私の場合、元々は能天気で、トラウマもストレスも特にない生活を送っていました。むしろアトピーを発症した後そのアトピーこそがストレスの最大の理由になったくらいです。

ストレスが溜まると、アトピーは悪化しました。
個人的な見解ですが、アトピーは心の問題が原因で発症するとはいえないけれど、心の問題のせいで悪化することはあるかもしれません。

けれど治るときはストレスがあろうがなかろうが治るのではないでしょうか。

私のアトピー改善のきっかけとなったのはサラダチキンの暴食でしたが、それはストレスが最高潮になったがゆえの行動でした。精神的にはかなりつらい時期だったはずなのですが、サラダチキンをきっかけにアトピーは徐々に回復していきました。

さて、ストレスとアトピーの因果関係ははっきりと証明されていないのに、どうして両者を結び付けた記事が多く存在しているのでしょうか。

そもそも皮膚科では、アトピーの原因は不明だと告げられます。それなのに、ストレスとアトピーがあたかも関係あるように書かれた記事がたくさん存在するのはなぜなのか。

大昔、説明のつかないことが起きたとき、「狐のしわざ」とか「化け物が出た」とか「たたりだ」と、目に見えないもののせいにしたそうです。きっと、自分たちを苦しめる事象のはっきりとした原因を欲したのでしょう。

アトピーの原因を心の病気だと考えるのも、似たような理由ではないでしょうか。

アトピーの原因をはっきりと説明できないからこそ、証明しようのない内面の問題を答えとして据えているのでは、と思います。

もし本当にアトピーの原因がストレスなどの内面の問題によるものならば、私のアトピーは未だに治っていなかったでしょう。
証明のできない心の病気を原因とするより、自分に必要な栄養素や休養をとるなどの具体的な改善策を模索した方が建設的だと考えます。

[ステロイドは本当に悪者なのか]

アトピーの炎症を抑えるためにほとんどの皮膚科が処方するであろう、ステロイド剤。

効き目は強いもののその分副作用もあるとされ、アトピー関連の掲示板などではいつも悪者扱いをされています。

ステロイドに依存すると皮膚は悪くなっていく一方だ、という意見もネット上で多く書かれていました。

果たして本当にステロイド剤は悪者なのでしょうか?

アトピーに悩んだ数年間、ステロイドを塗っても小康状態になることはあれど、悪化したことはありませんでした。

むしろインターネット上の意見を鵜呑みにして塗布を中止したときは、みるみるうちに悪化したものです。
私個人の結論ですが、アトピーによる炎症が起きている間、ステロイドは決して悪者ではありません。

きちんと肌を保湿し、その上から薄くステロイド剤を塗る。それを徹底すれば、悪化することはありませんでした。
常用は避けたいものの、症状が出ている間は仕方がありません。皮膚科の先生の指示に従って、適切に使うべきだと思います。

間違っても、自分の判断で薬の塗布を中止するのはやめましょう。

もし肌の改善が見られた場合は、ステロイドをやめてヘパリン類似物質の含まれるクリームや、セラミド配合のローションなどに切り替えてもよいかもしれません。

けれど、念を押すようですが、炎症が起きている間は、うかつにステロイド断ちをしないように気をつけましょう。

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